因果の道理に私無く、因果必然の理に於いて世界は呼吸する。願えども叶わず、望まなくともそれは起こる。 運命は常に残酷である。無明の人は嘆き、聖者は黙する。菩薩はその眼に憂いを浮かべ、仏陀は法を述べ伝える。ただ慈悲による。人の思いは常に閉じて世界に届かぬ。世界の扉は開いているのに人の心が閉じているのだ。無明の闇は深く常に怯え、望み、怒り、絶望し、うろたえ己を捕らえることは無い。苦悩に苦悩を重ね酒におぼれ、戯れの言葉に遊び、時の裁きを待つ身となる。
清らかな事柄を信ぜず、偽りの世界を楽しみとする。煩悩の薫習は深くこのゆえに誤りを繰り返す。
幻のような欲望にその身を焼き、消え果る物を求めてやまない。この暗闇に智慧の道を求めよ、仏陀が点したこの明かりを求めよ。止め処ない人生に道が現れる。
良き漁師は広い網を使える人である。賢者は大きな世界に住む人である。小さな欲心を離れよ。菩提心の大海に漕ぎ出でよ、仏の教えを掲げて灯火に導かれて、命の喜びと安心がある。慎み深く、己を律せよ、そこから如何なる悪意からも身を守る力が生まれる。胡桃の実が硬い殻に守られているように、菩提の心は良き行いで守らなければならない。