宗教法人 高野山真言宗 阿高山 真言寺
2012年2月 8日(水) 12:14 JST
生きる事が辛くなる時、人生の思わぬ事態に遭遇する時。願えど叶わず、叫べど届かず。唯、時間のみが虚しく過ぎ行く。心に重き荷を背負い生きる事に苦悩する。光ある太陽の恵みも人生の終焉には光を失い、恵み多き大地もその確かさが失われる。死の影に人生は突き動かされ。不確かさの故に焦りと苦悩は深まる。世界が閉じて行く苛立ちと不安に心はかき乱され、己を失う。静に瞑目せよ洞察せよ、無常の真理を、変化する物事の真実に目を閉じるな、貴方も無常の只中に居る。森羅万象は鏡の中の事物の如くその実体を持たない。己は無我である。この無常にして無我なる己を自覚せよ、そこに苦悩より逃れる術がある。仏陀は金剛座に座して、実は藁を集めたものであるが、そこで無常と無我の三昧に住した。執着多い人生にこれを厭い、暴れ馬の如く荒れ狂う心を制し、猿の如く止め処なく沸き起こる欲望の生起を止め、荒れ狂う波を鎮め静に帆を進める舟の如く人生を生きる。頼りない己が頼りある者となる時。