暁は紫雲より起りて黄金の光を放ち白銀の姿を見せる。春光は花を誘い小鳥のさえずりを呼ぶ。若竹は天に伸び時を告げる。命は巡り年を重ねる。人生は泡沫の夢の如く過ぎゆく、嗚呼誰かこの時を止めうるか。齢百歳天寿は終わる。一椀の飯と一椀の汁にて命を繋ぎ壱畳の畳に枕する。身の丈五尺五寸余に不思議なし。鼻に風のあるうちは生きている、生きて行かねばならぬ。心はあるかと問われれば、姿の定まらぬものなれど確かにこれにて生きている。なんとか言えと人が言う、声を出さずにすまされぬ。喜びも悲しみもやって来いとは言わないが、人知れずやってくる。人生の妙はここにあり。ままならぬ人の世で煩悩を捨てて生きて行く、執着を離れて生きて行く。無常の船で航海す、無我の帆を立てて彼岸に渡る。心清浄を生きて行く、尽きせぬ願を生きて行く、菩提心の輝きを生きて行く、身と心に障りなし人生に障りなし本来仏の命なりこれを信じて日を過す。口癖のように語り継ぐ貴方の命は仏である。